ずいぶん前の話です。
約38年前、父が70歳で 他界したとき、11歳年下だった母は59歳ぐらいでした。

父が亡くなり実家は、母・姉・姉の子供2人の4人暮らしになりました。
姉の子供の長男は中学生だった。

父の名義の貯金はほぼ無いと母から聞いた。
父は家の外周りの修理などに自分のお金を使ったので、貯金がなくなった。
家のために使ったのだから良いと私は思いました。
もし、あったとしても母と姉はとても苦労していたので、
私はもらうつもりもありませんでした。

実家は母も姉も農業をしながら、勤めにも出ていたので、
母・姉がそれぞれある程度の貯えを持っていました。
母と姉はまだ現役で働けるし、
姉の子供も卒業して働くようになれば、実家は経済的に楽になるはずでした。

それがそうではなかった。
『姉の長男は働いて得た給料以上にお金を使う。
仕事が長続きしない。
仕事を辞めて、次の職が見つかっても給料が出るまでの小遣いがいる』
その穴埋めをすべて祖母である私の母がやっていた。
一人前の大人になってからのほうが金銭的に実家を困らせる姉の長男だった。

私はそのことを聞いたとき・・
【私は、中卒で働きだしてから親に金銭的に頼ったことはない。
結婚して、金遣いの荒い夫で苦労していた時、
夫の親は私に「娘が困ったら実家がお金を出すもの」と言い、一切援助する気はなかった。
そう言われたけど私は結婚してから実家親に頼るのは違うと思い、耐えてた。
私、無一文で離婚後も、実家に頼ったことはない。
(民間アパート契約時、保証人は頼んだけど)】

だからそんな母に私は、
「しりぬぐいしてくれる人がおるから甘えるだから、お金は出してやらんほうが良いよ」と、
何回も電話で言ったけれど
「あんたにはわからんだろう。一緒に住んどったらそういうわけにいかないんだよ」と、
母はいつも同じ返答だった。

それまで母と、割と電話をかけあっていたけれど、
私は怒って、もう自分からは電話はしないと思った。

家の電話が鳴っても母からだと思い、出なかった。

しばらくして・・・母から手紙が届いた。
「いろいろ心配かけたけど、あなたの忠告を聞きこれからは、やっていこうと思います。
自分の葬式代ぐらいは持ってるので・・」という主旨が書いてあった。

手紙が届いてからは、私は電話に出るようになったが、
母は、私の忠告通りできるはずがないと思っていた。


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~~~~~その後~~~~~
姉の長男は好きな人と結婚して、実家を出て外で所帯を持ち子供が2人できて、
家をローンで購入して、幸せを手に入れたはずだった・・・

・・・が、しかし・・・その通りにはならず・・・
数年後にローン払えず嫁さんに離婚されて、
嫁さんが2人の子供を引き取り、家を売りに出して、
長男が一人実家に戻ってきた。
家が売れても 差額のローンが500万円ほど残ったという。
そしてまた、姉の長男の更なるしりぬぐいが始まった。
母の貯金が無くなるまでそれは続いた。

母は5年ほど前に92歳で亡くなったとき、
手紙に書いていた葬式代も残っていなかった。

父の時は、がんが見つかり即入院、
手術をして6か月間入院したまま家に戻ることなく70歳で亡くなり、
家の修理にお金を使っていたので、
父の貯金がほぼ遺っていなかったことは私は納得できた。

母は長生きで90歳くらいまで頭がしっかりしていたので、
少しでもお金を残したいと考えていたと思います。

「生きてるうちに自分のために使ってしまおう」なんて考える母ではなかったのに、
姉の長男に、無駄なお金を与えてすっからかんになり、
葬式代すら遺すことが出来なかった母。
私から見たら、情けないことだと思います。



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私は母のような生涯にはなりたくないと思ってます。
姉のような境遇や苦労もしたくない。

私の2人娘は「自分で稼いだお金なんだから、節約ばかり考えないで、
使ったほうがいいよ」と言ってます。

節約ばかり考えてるわけでもないし欲しいものは買ってるし、
しかし離れて一人暮らしていれば自分が亡くなったとき、大量の荷物が残されたら困るだろうな。

貯金は無きゃ無いで、火葬代などだけ残ってれば、娘は納得してくれると思うけど、
でも、それだけじゃ自分はちょっと情けない、
私が、遺したいけど遺せなかった母に感じたように・・・

夫と別れて無一文の50歳の出発から65歳までに貯めてきた多少のお金を、
2人の娘に残すことは、
自分が夫と別れたことが正解で、
その後、真面目に生きた証だと自分の勝手な思い込みです。

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