前の話はこれ ↑の続きです


母は数日後、姉に「あした、○○の公民館に、1万円を返しに行かなきゃならないので、
1万円をくれ」といったそうです。
カレンダーを見ると返す日に母が印をつけており、
○○の公民館とは、○○は地名で自宅から10キロ以上の距離。

姉はそんな話は信じられず、
自宅から4キロほどの母が電動カートに乗りいつも買い物に行く町に、
理容店を営んでいる親戚がありますので、母はもしかしてその親戚へお金を借りに行って、
貸してもらったのかもしれないと思い、親戚の理容店に聞きに行ったそうです。

親戚の理容店は 母は確かに来たことがあるけど「5円貸して」といわれたので、
親戚の理容店は「5円だけ?」というと「そんなら500円貸して」と言い、
結局900円貸りて行ったそうです。姉はそれを聞き、母の借金の900円を返し帰宅しました。

すると母はまた、「どうしても明日返さなきゃいけないから、約束してるから・・1万円をくれ」と言い、
そこで初めて「その人の、名刺も貰ってある」と言ったそうです。
その名刺なるものには、メモ紙で「男の人の住所・名前・携帯電話番号」が書いてあったとのこと。

姉が母に「そんな遠いとこまで返しにいけるの?」と聞くと、
「自分は、いけないから代わりに返してきてくれ」と母が言ったという。

 翌日になり姉はそのメモ紙をもって、親戚の理容店に再度行って説明話をすると、
理容店は 書いてあったその住所にその名字があるかNTTの電話帳を見てくれたら、
間違いなくあったそうです。
理容店が「携帯番号が書いてあるんだから、電話してみたら・・」といったので、姉は電話をしてみたそうです。

姉が「やっぱり若い男の人の声だったよ「おばあちゃんがATMで困っていたので1万円貸しました」といった。
そして、約束の時間と公民館の場所をしっかり確認して、車を運転して返しに行くことにした。
理容店の奥さんは 心配して 『一人で行くのは大丈夫?うちのお父さんもいこうか?』と言ってくれたけど、大丈夫と言って一人で行って返してきた」と私に話した。

「車で通りかかって、立ち寄ったATMで、ばあさんが困っているから貸してくれたんだね。
いまどきそんな人はいないよ、
、高校生かな?高校生はそんなにお金を持っていないな。
とにかく若い人だった、親切だね~!!そしてその人は、渡したいものがあると言って
紙を自分に渡してきて「もうこの紙は破って捨ててください」と言った。

その紙には、ばあさんの字で『1万円借りました。何月何日返します(ばあさんの)
住所・名前』と書いてあったよ」

これは2015年に姉が
「これだけは早くきかせたくて・・・」とあわてて、私にかけてきた電話内容です。
(姉は富山の方言で話したけど 東京弁に直してあります)

私も姉も この心温かい若者の事は一生忘れられない 冥土の土産にもなるような出来事でした。


皆様に「こんな時もし、あなたならどうしますか?」とブログをアップしたのは
姉から、若い男性が母にしてくれたことを聞き、
私ならこんな時、若者が私の母にしてくれたことができるだろうかという事と、
皆様ならこんな時どう対応されるのかと聞いてみたかったのです。

そして、この母はこの心温まる体験をしてから、2年後に亡くなりました。

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