訪問介護中に利用者が亡くなった話 その1
訪問介護中に利用者が亡くなった話 その2
訪問介護中に利用者が亡くなった話 その3
↑ ↑ ↑ の話の続きです。
約束の時間に一人でAさん宅を訪ねると、同居している次男とその息子(孫)が待っていた。
あの日の入浴介助の時の状況を聞きたいと言う。
「この度は、申し訳ありませんでした。
いつも、Aさんは、お孫さんの話をされてました。
その日入浴が一通り終わって、そろそろお風呂場から出ようとした時です。
立っている私の顔を見上げ、すぐ下を向いて、
は~は~と息を吐きました。私はすぐ顔をのぞいたけど、息がないようなので、
脈を確かめたけど、もうありませんでした。
あの時、私の顔を見て、お孫さんの話をしようとしたのかもしれません」
「最近、母は身体が弱ってきていると感じてました。死因は心臓まひでした。
それで・・病院から母の持ち物と返されたのが、
装具とバスタオルだけだったんですが・・・」
「はい、入浴中だったので、バスタオルをかけて救急車を呼びました。
救急車の方が、毛布を持ってこられたので、毛布を掛けて病院に行きました」
「そうだったんですね、わかりました。
あなたのことを母は気に入っていて、良い人だと言ってました。
もし、他のヘルパーが来るなら断りたいと言ってました。
きっと、あの日あなたを待っていたんでしょう、
入浴をして体がきれいになってからでよかった。
あなたのことは、ホームヘルパーとして99%と言ってました。
お世話になりました、ありがとう」と息子さんから言われて、
息子・孫・私の3人で泣いた。
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Aさんは、生活保護になる前は良い暮らしをしていたと言い、
プライドが高い人だった。
私が、Aさん宅に介護で入った時期は介護保険施行直前で、
介護保険でのヘルパーの仕事をするためには資格が必須なため、
ヘルパー講習に通っていたので、
たまにAさん宅を休ませてもらうことがあり、
私の代わりのヘルパーが入っていた。
生活保護受給者ということで、
ヘルパーから上目線の態度を取られることがあると言う。
私は、差別することはしなかったし、Aさん宅は働きやすい家と思っていた。
「あなたが休む日は、代わりのヘルパーさんは要らない」と言っていた。
週2回の入浴を楽しみにしていたAさんは、
体がだるくて、入りたくないということも出てきていた。
Aさんはそれを息子さんにも伝えていたのだ。
それが、この不慮の出来事の私を助けてくれたのだと思った。
しかし、このことがあってから1か月ほど、夜になると涙が出たし、
1年間は、気持ちが落ち込む日々が続いたのだった。
これが新米駆け出しヘルパーに、いきなり振りかかった出来事だった。
その3年後に、ヘルパー職から離れたいと他の道を模索してみたが
模索したのは2つ↓です。
人生後半に挑戦したこと①アイディア考案商品化
人生後半に挑戦したこと②シニアタレント
ものになることはなく・・・
ヘルパー職に戻り、介護福祉士資格→ケアマネジャー資格を所得して
15年間ほど働き 65歳と4か月で退職した。
15年間の仕事は、苦手で好きな仕事とは言えなかったけど、
介護の仕事で厚生年金を積んで
現在は年金だけで生活できていることに、
介護の仕事を続けてきてよかったと思える。
今、Aさんに聞いてみたい・・・
ヘルパーとして99%はうれしいけれど、
マイナス1%は何だったんですか?(*^_^*) ・・ってね。
~~終わり~~
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arasebun:
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